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東京図書館制覇!

東京23区の区立図書館249館を全て制覇(訪問)し、現在は多摩地域、島しょ部の図書館巡りをしています。いろんな視点での図書館ランキングやリストも掲載しています。

CurrentIcon 日比谷図書文化館

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千代田区立日比谷図書文化館 訪問記

last visit:2011/12/28

千代田区立日比谷図書文化館は、旧・東京都立日比谷図書館の建物を千代田区が譲り受けて、2011(平成23)年11月4日に開館した施設です。図書館機能と博物館機能を併せ持っており、貴重資料を手に取ってみることができます。

§ 図書館への道のり

当サイトの訪問記は、図書館への道のりから始まって、図書館の中の様子に入っていくというスタイルをとっているのですが、日比谷図書文化館は東西南北あちこちに地下鉄駅があるので、どうぞお好きなところから行ってくださいという感じです。日比谷図書文化館から1km以内にある駅を挙げたら、霞ヶ関、内幸町、日比谷、虎ノ門、新橋、国会議事堂前。有楽町からだって歩けます。どこから行くにしても、日比谷公園の南端を目指せば、国会通りに面しているところの真ん中に日比谷図書文化館があります。

昼間なら図書館で本を借りて公園で読むのもいいですね。日比谷公園のベンチは「思い出ベンチ」という企画で、ベンチの寄付者のメッセージが刻まれているので、好きなメッセージのベンチに座って読むのもよし。夜は読書は難しいですが、日比谷図書文化館隣の日比谷公会堂の時計塔が輝く姿がいいですよ。

§ 図書館内の様子

日比谷図書文化館は地下1階から4階までの建物で、1階が常設展示室・特別展示室とショップ&カフェのあるミュージアムフロア、2,3階が書架やカウンターがある図書フロア、4階が会議室や小ホールなど、地下1階はレストランと大ホールです。図書フロアにあるのは一般向けの資料だけで、都立日比谷図書館の頃からそうでしたが、児童向け資料は所蔵していません。

そして、建物として特徴的なのは三角柱の構造。三角形の北側の頂点が入口になっていて、左右に部屋が広がっている形です。開館時の展示によると、終戦後に焼失してしまった日比谷図書館を建て直す際に、当時の館長さんが「図書館の敷地として与えられた区画が三角形なんだから、建物も三角形がいいだろう」ということで、三角形になったのだそうです。窓を覆うのがカーテンではなく障子だというのも、なかなか渋くていいですね。

§ 書架の様子

2,3階の図書フロアは、各階2ゾーンに分かれていて、計4ゾーンで書架が構成されています。各ゾーンの内容は以下の通り。

 ●パープル・ゾーン(2階向かって右)…新聞雑誌・まちづくり
 ●オレンジ・ゾーン(2階向かって左)…ビジネス・キャリアデザイン
 ●ブルー・ゾーン(3階向かって右)…アート・文学・カルチャー
 ●グリーン・ゾーン(3階向かって右)…科学技術・ライフスタイル

各ゾーンの窓際には窓に向かう形で椅子が並んでいて、窓際までぎっしり本棚が寄せられているわけではない空間の使い方がいいですね。空間の余裕という点だけでなく、建物の支柱があるというのもその理由なのでしょうが、隣の席とも空間も広いので、本の世界に入りやすいです。また、これも全てのゾーンで、窓と反対側の壁沿いの棚は大きな展示コーナーです。展示内容はその都度入れ替わるようですが、各ゾーンの内容に応じた展示をしています。

カウンターがあるのは2階で、貸出処理は1階に1台、2階に3台あるICタグ式自動貸出機でもできます。返却はカウンターにもっていくことになりますが、千代田区立図書館の蔵書のうち千代田図書館と日比谷図書文化館の蔵書(本の裏表紙にある図書館管理用バーコードの上に所蔵館が示されています)は、職員さんに手渡ししなくてもカウンター中央の返却BOXに入れるだけでOK。おそらく、この2館の蔵書がICタグ管理をしているためだと思うので、ICタグが全館に導入されるにつれて、返却BOXに入れられる資料が増えていくのではないかと思います。

4つのゾーンは必ずしも日本十進分類の順ではなく、独自に4つに分けているので、目的なく館内を巡るには楽しい部分もありますが、目当ての資料があるときにそれがどのゾーンになるのかわかりにくい。もっと小さい図書館なら、ちょっとくらい番号の順序が違っていても何とかなりますが、日比谷図書文化館ほど大きくなってしまうとそうはいかないところがあります。そこでどうするか。具体的に閲覧したい資料が決まっているときだけでなく、どのジャンルがどの場所にあるかを知りたいだけのときも検索機のところに行ってみましょう。

というのも、書架内の検索機の前に行けばわかりますが、各検索機のそばでゾーン対応表の掲示と配架図の配布をしているんですね。配架図だけだと、「どこに何がある」というのはわかっても、「何がどこにある」と見たいものが決まっていてその場所を探すときに少し不便だったのが、ゾーン対応表のおかげで俄然探しやすくなりました。2011年12月12日時点では、ゾーン対応表は掲示してるだけで配布はしていないので、ぜひゾーン対応表の配布もお願いしたいところ。できれば、ゾーン対応表と配架図を両面印刷して1枚にして配布してくれるとベストです。日比谷図書文化館さん、よろしくお願いします!

また検索機で検索するときも、検索結果を印刷してさあ探そうと検索機を離れてはいけません。というのも、印刷した資料利用票には「【場所】歴史」「【請求記号】280.4」といった情報しかなく、その「歴史 280.4」が4つのゾーンのどこだか印刷されてません。どれかのゾーンにがっちりはまっているジャンルならいいのですが、2つくらいのゾーンに当てはまりそうなジャンルだと、フロア配架図の細かい数字を見て探すなどの手間が必要です。日比谷図書文化館さんには、ぜひ資料利用票の【場所】欄にゾーン名も書いて欲しいです。

上記のゾーン対応表と配架図で場所を調べてもいいですが、もっといい方法は、検索機で配架場所を表示する方法。検索機で一つの資料の詳細表示をしたときの左下に「館内地図はここです」というボタンがあるので、それをクリックしてください。そうすれば、どの棚にあるのか図で示してくれます。

§ パープル・ゾーン

「新聞雑誌・まちづくり」という内容で作られたパープル・ゾーンは、具体的には新聞・雑誌と地域資料が置かれています。パープル・ゾーン入ってすぐの雑誌棚は、これでもかというくらい(笑)、種類もたくさん。雑誌は最新号だけでなくバックナンバーも館内閲覧のみなので、貸出中のために閲覧できないということがないのがいいですね(もちろん館内で他の誰かが閲覧している可能性はありますが)。人気雑誌は、最新号である間に予約待ち人数がすごい数になってしまい、貸出可の期間に突入したとたんに予約した人々へと巡る長い旅に出てしまいますが、そういう雑誌も日比谷図書文化館に来れば読めます。借りたい場合は予約をすれば、千代田区の他館から取り寄せてもらえます。

そして、雑誌棚の隣には、一橋図書館・駿河台図書館の蔵書がずらり。この日比谷図書文化館は、東京都立日比谷図書館を千代田区が譲り受けて開設された施設ですが、千代田区立図書館のスタートも東京都立駿河台図書館が千代田区に移管されたことから始まるんですよね。駿河台図書館は、1929(昭和4)年に改称されるまでは一橋図書館という名前だった。つまり、一橋図書館・駿河台図書館の蔵書というのは、千代田区立図書館の始まりのさらに始まりの蔵書というわけ。

一橋図書館・駿河台図書館の蔵書は、似た感じの製本をされているものが並んでいるので、図書館が製本したとか、補修の際に図書館オリジナルの製本をしたのかなと思うのですが、これを開架に並べていいのかという古さの本なので、手に取るのにもびくびくしてしまいます(笑)。中を見ると、蔵書管理用のICタグもきちんと貼ってあるのですが、貼る作業をした職員さんもびくびくだったんじゃないかな。

その奥が地域資料なのですが、冊数も多いし、一橋・駿河台図書館の蔵書もそうですけど、普通の図書館なら閉架で管理されるような古い本が棚に並んでいるので、古い資料が好きな人なら1ヶ月篭っても全然足りないくらいだと思います。壁際の展示棚にも切り絵図がいろいろ展示されているので、現在の様子を思い浮かべながら眺めるのもいいですね。

古い資料よりも今につながる資料が好きという方は、地域資料の「江戸東京ぶらり散歩」(請求記号 CH291.3)の棚はいかがでしょう。東京のお散歩MAP本が、歴史散歩から今どきのものまで、たくさん並んでいます。どれも館内閲覧なので、持ち歩いて散歩したいときには、2階カウンター向かって左にあるコピー機を使って下さい。これだけお散歩MAP本が揃っていることを活かして、「この町を散歩しよう」と決めた町に関するページをたくさんの本のからピックアップするのもいいですよね。東京散歩なら、「江戸東京ぶらり散歩」以外に、同じく地域資料内にある「建築ガイド本」(CH523.1)、「東京グルメ案内」(CH596)にある本もお薦めです。

小説好きなら、地域資料の棚の小説コーナーをどうぞ。この棚には、東京が舞台になっている小説が並んでいます。といっても、首都東京ですから、舞台になっている小説を本当に全て挙げたら、この冊数では利かないでしょうね。棚を見ると、藤田宜永の「モダン東京」シリーズとか、石田衣良の『アキハバラ@DEEP』「池袋ウエストゲートパーク」シリーズといった、単に物語が東京で繰り広げられるだけでなく、東京という街を描く色合いの強い小説が多く並んでいる感じです。

また、このパープル・ゾーンの閲覧席では、電源をつなげて持参PCを利用でき、有線LANも利用できます。持参PC自体は、館内のどの席でも使えますが(但し、他の席は電源・有線LANなし)、パープル・ゾーンの席はやはり埋まっている率が高いです。

§ オレンジ・ゾーン

「ビジネス・キャリアデザイン」のオレンジ・ゾーンは、政治・経済をはじめとした社会科学、統計・白書、産業・農業・商業、プログラミングに関する資料、本や図書館に関する資料(0類:総記)、写真集・絵本があります。大型本もジャンルを問わずオレンジ・ゾーンになります。芸術の本はブルー・ゾーンになるのに、写真集はオレンジ・ゾーンになるというのは要注意ですね。総記がこのゾーンに入るというのも、少しわかりにくいかも。

オレンジ・ゾーンの手前側には、図書資料だけでなく、ネット閲覧やデータベースが利用できるパソコンがあります。ネット閲覧PCが6台、データベース閲覧PCが7台と台数も多く、使用できるデータベースの種類も多いです(データベースの内容については、下の図書館データの「データベース・CD-ROM利用」を参照)。

職業・資格・留学の棚は、その内容の書籍だけでなく、大学による社会人向け講座のチラシなども配布しています。図書館に来て興味がある本を読んだり、雑誌で最新情報を得たりしていると、もうちょっと本格的に学びたくなったりしますよね。それに、仕事後に図書館に来て熱心に勉強している人を見て、自分も勉強を始めてみようかなと思ったり。そんなときには、職業・資格・留学にある大学講座チラシを見てみると、興味に合う講座があるかもしれませんね。

オレンジ・ゾーンには誰でも利用できる席以外に千代田区民席もあり、ここは申込み不要で利用できます。利用の際は、座席に備え付けられたカードホルダーに、図書館カードを入れて使用します。千代田区の図書館カードは在住地に関わらず誰でも作れますが、千代田区民かどうかによってカードの色が違うので、それで区民であることを確認するというわけです。

§ ブルー・ゾーン

「アート・文学・カルチャー」のブルー・ゾーンは、美術・音楽・演劇、小説のほか、歴史や伝記、風俗習慣に関する資料もあります。オレンジ・ゾーンのところにも書きましたが、写真集・画集・大型本はオレンジ・ゾーンなので、注意が必要です。

ブルー・ゾーンの面白いところは、芸術の書籍があるだけでなく、入ってすぐ右の区画がアート展示エリアになっていること。「書架の一画」と言われて想像するよりも広いスペースで、アート好きの人ならこの展示だけを目当てに来館してもいいくらい。あ、でも、せっかく来るなら、書棚も見て行ってくださいね(笑)。開館間もない今は、川崎亜利沙さんがフィンランドで撮った写真を展示しています。

歴史の棚などを見ていると、「カルチャー」として捉えてブルー・ゾーンに配置したせいか、読みもの的な本が多い気もしますが…、これはこちらがそう思っているからそう見えるだけかも(笑)。日本図書分類法に従って並べられると、歴史は哲学と地理の間になりますが、日比谷図書文化館ではアートと文学に挟まれた場所にあるんですね。他の棚には目もくれずに歴史の棚に直行すると感じないかもしれませんが、書棚をぶらっと眺めながら辿り着くと、周囲の棚が違うことでいつもと違う本が目についたりする。上では日本十進分類の順でないので本が探しにくいところがあると書きましたが、順番通りでないことで違った景色になる面白さもありますね。

小説の棚を見ると、日本の現代小説はほとんどありません。職員さんに聞いてみたところ、現代小説は閉架で所蔵しているので、検索機で所蔵を確認してカウンターで請求すれば閲覧・貸出できるとのこと。現代小説に限らないのですが、日比谷図書文化館の書架を回っていると、古い書籍が目立ちます。都立日比谷図書館から譲り受けた資料を活かす意味でも、あえて古い資料を前面に出すことで、普通の図書館では出会えない本に出会えることを意図しているようです。

§ グリーン・ゾーン

「科学技術・ライフスタイル」のグリーン・ゾーンは、自然科学や技術のほか、地理・紀行、園芸・林業・水産業、哲学、教育、国防・軍事、スポーツ・娯楽、言語の資料。鉄道や防災に関する資料は、日本図書分類法によるジャンルを問わずグリーン・ゾーンになります。農業はオレンジ・ゾーンになるのに、園芸・蚕糸業・畜産業・林業・水産業がグリーン・ゾーンになるというのは、ややわかりにくいですね。農業に限りませんが、日比谷図書文化館では関連するジャンルが違うゾーンになることは珍しくなく、広くて2フロアに渡るだけにあちこち行くと結構疲れるので、場所をよく確認して効率よく回りましょう。歩き回って疲れて、手にした資料を読む気力が無くなっては意味がないですしね(笑)。

グリーン・ゾーンの窓に並行している書棚は、鉄道と防災の棚。鉄道の棚も古い資料から新しい資料まで揃っており、都立日比谷図書館時代からの資料を活かしていますね。例えば、財団法人運輸調査局が編集している『雑誌記事に見る「国鉄分割民営化」の動向』は、東京都立図書館ホームページ東京都公立図書館横断検索で都内全区市町村を対象に検索しても、都立中央図書館とこの日比谷図書文化館でしか所蔵していない資料。少し棚を見ただけでもこうした資料が見つかるので、マニアが本格的に探したら、たくさんの貴重な資料が見つかるのではないかと思います。

防災の棚には、書籍だけでなく千代田区のハザードマップや区内の帰宅困難者支援場所案内図なども展示しています。千代田区に住む人や千代田区に通勤・通学している人はもちろん、通勤・通学の際に千代田区を通過する人も一度目を通しておくといいと思います。

グリーン・ゾーン入ってすぐ左の展示エリアでは、日比谷図書館の歴史を展示しているのですが、これは常設展示なのかな。個人的にはぜひ常設展示にして欲しい。1908(明治41)年11月21日に東京市立日比谷図書館として開館してからの歴史が、写真もたくさん取り入れて展示されています。

日比谷図書館は、1908年に開館した当初は木造で、四角形の部屋がいくつか繋がったような形の一般的な建物でした。その最初の建物は、1923(大正12)年の関東大震災で資料の多くを焼失してしまい、その後建て直すも、1945年5月には空襲によって再度消失。展示内容からそのときの様子を引用すると

当時の職員は、「翌朝、駆けつけてみると、焼残った赤レンガの梁の上に、書籍の形をそのままに残した白い灰の一団が、廃墟の煙の中に浮かんでいた。」と回想しています。

…想像するだけでも、悲しい風景ですよね。

で、焼失した都立日比谷図書館を建て直す際に、現在の三角柱の建物となるわけです。新しい建物が開館したのが1957年10月。再建時の館長さんによると、図書館用として日比谷公園内に与えられた敷地が三角形なんだから、建物も三角形が自然だろうという発想だそうですよ。そう言われると、日比谷公園内の区画割付担当者に、なぜ図書館用の区画を三角形にしたのかを聞いてみたくなりますね。

そして、都立日比谷図書館としては2009年3月に役割を終えて閉館。改修工事と千代田区への移管を経て、2011年11月4日に千代田区立日比谷図書文化館として開館して今に至ります。東京都立図書館からの移管という経緯を知らないと、中央館である千代田図書館よりも大きい図書館施設が「図書文化館」なる名前で存在している千代田区立図書館の構成を奇妙に感じると思うのですが、こういう経緯があるんですね。

私の勝手な想像では、千代田区役所・千代田図書館の移築(2007年5月7日から現在の場所に移動)と日比谷図書館の移管がもっとうまく噛みあえば、この日比谷図書館を千代田区の中央図書館にして収まりのいい構成になったかもしれないなあとも思いますが、老朽化した日比谷図書館の建替費用を都・千代田区のどちらが持つかで揉めたりもしましたし、まあいろいろ事情はあるんでしょうね。

§ 特別研究室

4階は小ホールとセミナールームも2つ、それに特別研究室があります。この特別研究室がすごい!こんなに古くて貴重な資料を手に取っていいのでしょうか、という資料がぎっしりつまった部屋です。現に私、自分で手に取るのが怖い資料は、職員さんに「この資料すごいですね~」と話しかけて、職員さんに開いていただいたくらい。一度ここに入ると、2階パープル・ゾーンの一橋図書館・駿河台図書館の蔵書は気楽に手に取れますから(笑)。

三角形のエリアの特別研究室は、部屋の入口近くが内田嘉吉文庫や千代田区の地域資料などが並んだ書庫、奥が有料の特別研究席のある別室となっています。特別研究室に入ってすぐ右にカウンターがあり、そこに荷物を預けて書架を見たり席を利用したりする仕組みです。

内田嘉吉氏は逓信官僚・台湾総督・貴族院議員・東京商業学校校長などを務めた方で、内田嘉吉文庫はその内田氏の蔵書約16,000冊。内田氏の没後、その蔵書を千代田図書館の前身である東京市立駿河台図書館が受託したのだそうです。いろんな要職についた方だけあって蔵書も幅広く、海洋や外国の様子がわかる資料や東京の資料、経済の資料などなど、古い資料がたくさん!内田氏は1866年生まれですが、内田氏が入手した当時既に古くて貴重だった資料もあるわけですから、21世紀の現在とあっては貴重度合いは高まるばかり。たぶん、世界でここにしか残っていない資料もあると思います。私がそう思うだけでなく、職員さんもたぶんあるだろうとおっしゃっていました。

古い資料なので、漢字や仮名が今とは違って難しい部分があったり、そっと扱わなければいけない慎重さも必要ですが、とにかく面白い資料がたくさん。東京の名所を集めた折本写真集には三角形の建物になる前の東京市立日比谷図書館も掲載されているし、木の箱に収納するようになっている高松宮親王のご旅行(たぶん、新婚旅行?)のアルバムは、市販品なのに写真を印刷しているのではなく、現像した写真を入れ込んでいるという懲り様です。貴重資料が多いだけあって職員さんがそばに控えているので、疑問点は気軽に聞けますよ。私が行ったときもご年配の利用者の方が千代田区の昔の様子を職員さんと話していたのですが、書架内に閲覧席がないこともあって、資料について職員さんと話し込んでも大丈夫な空間です。

別室になっている特別研究席は全32席で、室内全席で無線LAN・有線LANが使えて、電源もあり。隣席とは仕切られたブース席です。開室時間は日比谷図書文化館よりは短くて、月・火・木・土曜は10:00~18:00、水・金曜は10:00~21:00、日曜祝日は10:00~16:00。料金は終日利用が1200円、一時利用の場合は10:00~12:00、12:00~14:00、14:00~16:00、16:00~18:00、18:00~21:00(水・金のみ)という時間枠を利用する形で1枠300円です。私は利用したことがないのですが、書庫から覗いた限りキレイで集中しやすそうで、ノートPCを買ったら(大分前から買おうと思いつつまだ買っていない)使ってみようと思っています。

§ カフェ&ショップやレストランも

日比谷図書文化館は三角柱の建物と書きましたが、正確にいうと三角柱の根元に小さな円柱が合体している形なんですね。その小さな円柱部分がカフェ&ショップとなっていて、喫茶と書籍・文房具の販売をしています。

喫茶は、テーブルに注文を取りに来てくれるタイプではなく、カウンターで買ってトレイに乗せてもらったものを自分でテーブルまで持っていくタイプのカフェ。飲料は300~350円で、価格帯的にエクセルシオール・カフェくらいと言ったところでしょうか(ドトールより高く、スターバックスやタリーズより安い感じ)。パンやスナック類も扱っています。テーブル席が16席しかないので、店内で食べたい場合は注文する前に席を確保した方がいいと思います。テイクアウトもできるので、公園で食べるのもいいですよね。

ショップは、オリジナルグッズなどはなく、書籍も文房具もお店のコンセプトに合うものを選んで置いています。文房具は、筆記用具やしおり、老眼鏡、ブックカバーなど、文房具の中でも読書に関するものが多いですね。窓際の書棚では、ジュンク堂書店渋谷店と仙台店・仙台ロフト店で行っている「作家書店」(作家の選書で書棚を作る)のこれまでのもののうち、10名の作家の「書店」を再現しています。2011年11月時点で再現されている作家は、谷川俊太郎、椎名誠、養老孟司、萩尾望都、佐藤優、日野原重明、福岡伸一、瀬名秀明、伊坂幸太郎、いがらしみきおの10名。なるほどと思う本や意外な本があったりして楽しい。

作家書店以外の書棚は、東京の散歩MAPや読みものが多いです。パープル・ゾーンの地域資料の本はほとんどが館内閲覧なので、どうしても資料をコピーしたものではなく散歩MAPを持って歩きたいという方は、こちらのショップで売っていないか見てみましょう。

地下のレストランは、一押しのハヤシライスが1100円と、図書館の食堂としては値段が高いです。私は、期間限定のハヤシドリアを食べたのですが、ハヤシライスより絶対手間がかかるはずなのになぜか850円。その代わり時間がかかるので、ハヤシドリアを狙って入店させて、「お時間かかりますがよろしいですか」「じゃあ、ハヤシライスで」というのを狙っているじゃないかと勘ぐったりして(笑 でも、私の隣に座った人は実際そうしていた)。値段が高いだけあって、メインメニューはもちろん、付いてくるスープもおいしいです。本棚に囲まれた内装も落ち着いているし(本自体はテグスで固定されているで開けません)、図書館の食堂ではなく、日比谷公園内にあるレストランの一つと思って利用すれば、この値段も妥当なのかなと思います。

§ ミュージアムエリア

このサイトは図書館についてのサイトなので、1階のミュージアムについては後回しになってしまいましたが、ミュージアムエリアは向かって右の常設展示室と、向かって左の特別展示室の2つに分かれています。

常設展示室は、以前四番町図書館の地下にあった歴史民俗資料館が日比谷図書文化館内に移転してきた施設で、千代田区の歴史を展示しています。千代田区+歴史といったら、やはり真っ先に江戸時代が思い浮かんでしまいますが、縄文時代の石器なんかも発掘されているんですね。

といっても、やはりメインは江戸時代から現代まで。文化の紹介などもありますが、江戸城の築城や上水道などインフラに関する展示が多いのは、図書館エリアとの役割分担を考えてのことでしょうか。明治に入ってから千代田区についても、「職のまち」「文化人のまち」「官庁街」とエリアに分けて紹介しています。神田三崎三座の劇場や映画館のチラシは、演劇好きの人だけでなく、モダニズム好きな人も楽しいはず。

特別展示室は有料の展示室です。建物入口を入った左(受付の先)に入場券の券売機があるので、そちらで入場券を購入します。入場券といってもレシートにQRコードが印刷されたもので、そのQRコードを特別展示室のゲートの右の読取口にかざすと、ゲートが開いて中に入ることができます。特別展示室への入室は、日比谷図書文化館閉館の30分前までなのでご注意を。展示内容は期間ごとの入れ替えで、開館時の展示(「日比谷が熱く燃えた日 団塊の青春グラフィティ」)は私はちょっと不満だった(ただ懐かしいものを並べているだけという感じで、もう少し深く考察した内容にして欲しかった)ので、その旨アンケートに書いてきました。

§ 博物館的図書館

日比谷図書文化館は一般的な図書館だと思って来館すると肩透かしを喰らいます。現代小説はほとんど棚にないし(閉架にはあるので、読みたい本があったら検索機で検索してください)、その他の棚も一般的な図書館と比べたら古い資料の割合が高いです。

でもそれは、都立図書館から引き継いだ古い資料が多いから仕方なくそうであるというマイナス点ではなく、古い資料を活かして一般的な図書館とは毛色を違えた施設にするべく意図してそうしているんだと思います。どこにでもある資料ではなく、なかなか残っていない、あるいはここにしかない資料を前に押し出した、博物館のような図書館だと思って利用すると、まさに貴重資料の宝庫。

こうした資料は一般的な図書館だと閉架に収納されてしまうし、博物館で管理されたらガラスケース越しに見るだけになるでしょう。そう、博物館的図書館だからこそ、こうした貴重資料を手に取って時代を感じることができるのです。歴史を体感できる日比谷図書文化館をぜひ楽しんでください!

千代田区立日比谷図書文化館 特集・行事・図書館だより感想記

  クイズラリー ぐるりひと巡り江戸から東京へ
―2012年1月17日から3月11日までのイベント
2012年1月17日から3月11日まで行われている日比谷図書文化館のクイズラリーの体験記。出題範囲は図書館エリアに留まらず、1階ミュージアムや4階特別研究室まで及んでいます。全5問中3問を解いて1階受付に持って行くと、館内カフェ・レストランの割引券「割引手形」がもらえますよ。

千代田区立日比谷図書文化館 データ

住所東京都千代田区日比谷公園1-4 →大きい地図を開く
Tel
図書総合カウンター03-3502-3343
施設事務室03-3502-3340
開館時間
月~金曜10:00~22:00
土曜10:00~19:00
日曜・祝日10:00~17:00
定休日第3月曜
12月29日~1月3日
最寄駅東京メトロ千代田線 霞ヶ関駅から徒歩4分
都営三田線 内幸町駅から徒歩4分
東京メトロ丸ノ内線日比谷線 霞ヶ関駅から徒歩7分
東京メトロ千代田線 日比谷駅から徒歩7分
東京メトロ銀座線 虎ノ門駅から徒歩9分
東京メトロ銀座線 新橋駅から徒歩12分
東京メトロ日比谷線都営三田線 日比谷駅から徒歩12分
JR山手線京浜東北線横須賀線 新橋駅から徒歩13分
東京メトロ丸ノ内線千代田線 国会議事堂前駅から徒歩15分
都営浅草線 新橋駅から徒歩15分
駐輪場なし
駐車場日比谷図書文化館には駐車場なし。日比谷公園内に「日比谷自動車駐車場」あり。8:00~19:00は30分200円、19:00~翌8:00は30分150円。
座席数 大人用291席
2階オレンジゾーン千代田区民席(机)9席
椅子席29席
机席45席
2階パープルゾーン新聞・雑誌コーナー(椅子)28席
椅子席16席
机席18席
3階閲覧スペース椅子席12席
机席39席
3階ブルーゾーン椅子席11席
机席17席
3階グリーンゾーン椅子席49席
机席18席
検索用端末8台
2階タッチパネル&マウス入力機1台
キー&マウス入力機3台
3階タッチパネル&マウス入力機2台
キー&マウス入力機2台
検索結果印刷機能あり
所蔵物
漫画カセットCDビデオDVD
なしなしなしなしなし
※ ビデオ・DVDは広報を除く一般ビデオ・DVDの有無を表しています
資料の複写2階カウンター向かって左にセルフ式コピー機2台あり。B5・A4・B4・A3モノクロは10円、B5・A4・B4カラーは50円、A3カラーは80円。
AV試聴不可
自動貸出機ICタグ式自動貸出機が1階に1台、2階に3台あり
ブックポスト建物南側(国会通りに面している側)の中央にブックポストあり
本のリサイクルなし
飲食設備地下1階、1階にレストラン「ライブラリー&ダイニング日比谷」あり。地下1階レストランは、平日11:00~21:00、土曜11:00~19:00、日祝10:00~17:00。1階カフェ&ショップは、平日11:00~19:00、土曜11:00~17:00、日祝10:00~17:00。
その他地下1階に喫煙ルームあり
外国語資料
外国語新聞The Japan Times、The Daily Yomiuri(以上、英語)あり
外国語雑誌TIME、Newsweek、The Japan Jounal、FOREIGN AFFAIRS、Bloomberg Businessweek、Harverd Business Review、The Economist、FORTUNE(以上、英語)あり
外国語図書英語の図書が多数ある中に、ときどき英語以外の外国語図書も混ざっているようなかたち。外国語資料は、内容に応じて日本語の図書と同じ部屋に分類され、各部屋ごとにまとめて置かれています。
外国語絵本なし
外国語児童書なし
パソコン設備・サービス等
ネット閲覧パソコン2階のオレンジゾーンにネット閲覧PC6台あり。1回1時間、次に待っている人がいなければ延長可能。
持参パソコン利用館内の閲覧席で持参PCの利用可能。電源があるのは、2階パープル・ゾーン机席(18席)と4階特別研究室(32席)のみ。電源のある席では、有線LANも利用できます。
データベース・CD-ROM利用2階のオレンジゾーンにデータベース閲覧PC7台あり。「iJAMP」「聞蔵Ⅱビジュアル」「ヨミダス歴史館」「毎日Newsパック」「JIJI-web」「JRS経営情報サービス」「ジャパンナレッジ・プラスNRK」「 ブリタニカ・オンライン・ジャパン」「LexisNexis」「官報情報検索」「日経テレコン21」「OxfordArtOnline」「ELNET」の利用可能。
児童用資料・設備等
紙芝居なし
布絵本なし
童謡CDなし
靴脱ぎスペースなし
おはなし会なし
授乳室建物4階に授乳室あり
オムツ交換台地下1階から4階まで各階にある誰でもトイレ内にオムツ交換台あり
バリアフリー
棚間の広さ [?]広い
車椅子用閲覧席なし
エレベーター入口入って正面の階段の向こう側にエレベーターあり。正面入口向かって左側に回ると車椅子用のスロープがありますが、コーンとバーで塞がれています。コーンとバーを取り除いて自由にスロープを使えるようにするか、職員さんを呼ぶインターホンをつけて欲しいところですが、現時点ではとにかく塞がれてしまっているので、車椅子で来館なさる方は事前に電話をしておくといいと思います。
誰でもトイレ地下1階から4階まで各階に誰でもトイレあり。地下1階と3階の誰でもトイレはオストメイト対応。
障害者用駐車場なし
大活字本大活字本コーナーとしてまとめてはおらず、内容に応じて一般書架の中に分類されています
拡大読書器・老眼鏡3階ブルーゾーンの一番奥の机に拡大読書機1台あり
2階カウンターに老眼鏡あり

千代田区立日比谷図書文化館 カレンダー

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