守屋図書館
目黒区立守屋図書館 訪問記
目黒区立守屋図書館は、祐天寺駅と学芸大学駅の間にある図書館。守屋善兵衛氏の宅地と住居を由来とするこの図書館は、23区立図書館で唯一の、人名を冠する図書館です。
守屋図書館は、東急東横線の祐天寺駅から歩いて10分弱の図書館です。祐天寺駅の改札を出たら、右(東口)に出て、東急東横線沿いを学芸大学駅方向に歩きます。道が線路から離れたりもしますが、とにかく線路に一番近い道を選んで進み、線路高架下に目黒消防団第6分団の建物がある五叉路に出たら、小さい中華料理店がある道へ左折し少し歩くと、道の左側に守屋図書館が現れます。
祐天寺駅周辺のお散歩スポットとしては、駅名の通り祐天寺になるのかな。私はまだ行ったことがないのですが、駅の東口を出て、線路に直行する方向にあります。そして、行ったことないながらも、駅から祐天寺までの道のりで私が気になっているのが、「ナイアガラ」というお店。カレーとコーヒーのお店なのですが、店前から店内に鉄道グッズが溢れているお店です。私、Tポイントでお茶しようと思って、ドトールに入ってその窓からこの店を見つけて、あっちに入ればよかったと悔やみました(ドトールさん、すみません 笑)。次にこの辺に来たら、入ってみようと思っています。
守屋図書館は地下1階から地上2階までの建物です。八雲中央図書館ができるまで、目黒区の中央館だっただけあり、なかなか立派な建物です。入口に入るとき、ちょっと注目して欲しいのですが、2つ目の自動ドアに招き猫が描かれているんです。たくさんの来館者をこの猫が招いているのかな。
各階の配置は、1階が新聞・雑誌、CD、地域資料、参考図書(辞典類)、漫画、日本の小説、旅行ガイド、大活字本。2階が児童コーナー、中高生コーナー、家事関連本。それ以外の一般書架が地下1階になります。
守屋図書館は、上から見ると横長の長方形で、長い辺の真ん中に入口がついているかたちです。入口を入ると、右にカウンターがあり、更に右に旅行ガイド、大活字本、地域資料、参考図書。入口入って左は、手前側に新聞・雑誌コーナーがあり、奥側に漫画、CD、日本の小説が並んでいます。
少し変わっているのが、文庫の棚がないこと。小説の棚を見ると、単行本も文庫本も一緒にして著者名順に並んでいます。図書館では収納率を上げるためにも、文庫は文庫の棚にまとめているケースが多く、守屋図書館のような並べ方は少数派。書籍の形態に関わらず、「○○さんの本が読みたい」と本を探しているときには、単行本も文庫本も一緒に見ることができていいですね。収納効率が下がっていることも事実ですが、空間が多くゆったりしている棚です。
漫画は、1冊ずつ閲覧・貸出できるものだけでなく、何巻かごとにセットで管理しているものもあります。セット管理しているものは、漫画の棚の側面にカードがあり、それをカウンターに持っていって閲覧・貸出する仕組みです。
カウンター前にはリサイクル本コーナーがあり、除籍蔵書と寄贈本のうち蔵書にしなかった本を、1人5冊までもらうことができます。私も読みたかった本を見つけて、しっかりもらってきました。
地下1階は、書架がずらっと並ぶ空間。中央付近と、階段・エレベーターからみて右奥に、閲覧席があります。
そうそう、1階から地下1階までの階段の壁には、「ちょっと前の話題の本」という棚があり、予約待ちの列がようやく解けた本が置いてあります。そちらもぜひチェックしてみてください。
地下1階の書架も、1階の日本の小説と同様に、文庫・新書・単行本が全て一緒にジャンル別に分類されています。中でも、外国の小説は文庫本の比率が高いので、デッドスペースが多すぎると感じるくらいゆったりしています。
階段・エレベーターからみて左奥の外国語図書は、冊数も多め。英語が中心ですが、中国語・ハングル・フランス語・ドイツ語・イタリア語・スペイン語の本もあります。特に英語は、小説だけでなく、自然科学や社会科学の本も並んでいます。中高生向けの本も多く、英語に堪能でない人でも、絵を手掛かりにして読めそうな本がありますよ。
また、外国語図書の棚の近くには、目黒区国際交流協会の広報誌が置いてあったり、英語の目黒区立図書館Mapや日本語ボランティアグループが作成した区内の日本語教室案内が掲示されています。
右奥の閲覧席付近は、細長い地下庭があって、地下でありながらも窓があるつくりです。開放感が感じられていいですね。
2階は、面積にして3/4ほどが児童コーナーで、残りの1/4が中高生コーナーと家事関連本。家事関連本は、2~3人もいると自由に移動しずらいくらいですが、ここは我慢して、2階の主役は児童に譲るというところでしょうか(笑)。
2階の棚は、古そうなものが多く、上部に棚が増設されているところも多いです。よくみると、しっかり固定しているし、税金を払っている側からしたら、古いものも使えるまではしっかり使うという姿勢は嬉しいですよね。
読み聞かせコーナーにあるぬいぐるみも小さいものが多く、全体的にお金をかけて立派にするのではなく、小さい工夫や備品で温かい空間を作っている雰囲気です。カーテンを留めているものも、よく見るとダブルクリップにマスコット人形をくっつけたものだったりするんです。
児童コーナーの棚の分類などは、特別変わった点はなく、標準的といったところでしょうか。階段から入ってすぐ右の壁には、貸出できるおもちゃのサンプル写真が透明ポケットに入っており、この写真をカウンターに持っていくと、貸出できるのだそうです。私が行ったときにあったのは、布のおもちゃが3点ほど。おもちゃ以外の資料は、区内のどの図書館に返してもいいのですが、おもちゃだけは貸出した館に返却しないといけないので、ご注意ください。
現在の守屋図書館の様子を書いてきましたが、この図書館の起源となっているのが、守屋善兵衛氏。台湾日日新報社や満州日日新聞社の社長を歴任してきた守屋氏が亡くなった後、遺族から目黒区へ宅地と住居が寄贈され、それがこの守屋図書館になったんです。1階の新聞・雑誌コーナーの1画には、旧守屋邸の模型もあり、なかなか立派そうな洋館です。
目黒区立八雲中央図書館が発行した『目黒区の図書館 50年のあゆみ』によると、寄贈されたこの建物・宅地は、当初は「守屋記念館」として、集会施設として開設されたのだそうです。それが、区内初の図書館に生まれ変わったのが、1952(昭和27)年4月のこと。その後、増築や改築を何度か経て、現在の姿になりました。
地域資料コーナーにも、『守屋善兵衛追悼録』『守屋善兵衛著述集録』などの資料があります。ドイツ語の勉強をしていた方のようで、著述集にあるのは医学論文の訳など。中には、森林太郎(鴎外)が口述したものを、守屋亦堂(善兵衛)が筆記した論文もあります。
守屋図書館ができるまでは、集会場の一画に図書室的施設がある程度だったそうで、この守屋氏の邸宅があなかったら、目黒区の図書館の歴史ももう少し遅れてスタートしたかもしれませんね。23区の公立図書館の中で、唯一人名を冠しているのも、守屋氏への感謝の表れと言えるでしょう。しかも、2002年9月に八雲中央図書館ができるまで、目黒区の中央館として活躍していたのですからすごい。現在なら中規模程度の図書館ですが、開設当時としてはかなり大きな図書館だったと思います。『目黒区の図書館 50年のあゆみ』の6ページに、一度目の改築後の守屋図書館訪問記が掲載されているのですが、かなり褒めちぎられています(笑)。
現在は、地域館として運営されている守屋図書館。来館したときには、ぜひ歴史も振り返ってみてください。
