日暮里図書館
荒川区立日暮里図書館 訪問記
荒川区立日暮里図書館は、日暮里駅と三河島駅の間にある図書館。ハングルの資料が充実しています。荒川区出身の作家、「吉村昭コーナー」もありますよ!
日暮里図書館の最寄り駅は微妙な差で三河島駅でしょうか。ただ、路線の多さを考えると、日暮里駅から行くの人の方が多いかもしれませんね。位置としては日暮里駅と三河島駅を結んだ線上にある感じで、どちらからも徒歩10分程度で行けます。
日暮里駅から行く場合は、しばらく日暮里舎人ライナーの軌道に沿って歩き、軌道が左折して尾久橋通りに入るところで右折し、最初の交差点で左折。250mほど進むと、道の右側に出光のガソリンスタンドがあるので、その先の斜め右に伸びている道に入ります。すると左側に日暮里図書館が現れます。
日暮里図書館は地下1階から2階までの建物で、1階が一般図書、地下が児童コーナー、2階が閲覧室と吉村昭コーナーになっています。1階よりも面積は小さくなっていますが、地下ワンフロアを使っているので、児童コーナーの面積も大きいし、2階の閲覧席も広々としています。
1階は、入口入って右側に地域資料コーナーがあり、その更に右に新聞・雑誌コーナー、新聞・雑誌コーナーの奥が中高生コーナーです。入口入って左側にはカウンターがあり、その左に無線LANコーナーとCDコーナー、更に左の一帯が一般書架です。
地域資料コーナーには、東京に関する本や荒川区に関する本が揃っています。棚の脇にある「日暮里の平成年表」が2004年で止まってしまっているのが、少し気になります。せめて日暮里舎人ライナー開通は載せた方がいいような。その上の壁には、日暮里諏訪台を描いた広重画と、その現在の写真も展示しています。荒川区ゆかりの本は、加太こうじ、牧野徑太郎などの「荒川区出身者等の文学作品」、吉村武夫、木村伊兵衛などの「荒川区出身者等の著作物(文学以外)」、『波のうえの魔術師』『学校
』などの「荒川区を舞台にした文学作品」と細かく分類されていますよ。
中高生コーナーは、月1回発行でお薦め本を紹介する「ぺら」、テーマに沿った本を紹介する「太鼓ボン」、書籍以外の情報も掲載している「MOTTECO☆」など、図書館が発行しているいろんな冊子を配布しています。荒川区立図書館は、中高生向けの配布物が充実しているんですよね。荒川区立図書館の公式ホームページの中高生向けページには、掲示板もあり、「こんな本がありますか」という書き込みに職員さんが答えてくれますよ。
漫画は、中高生コーナーにもあるし、地下の児童コーナーにもあります。中高生コーナーに置いてあるのは、『デビルマン』『銀河鉄道999』『花ざかりの君たちへ』『火の鳥』などで、児童コーナーに置いてあるのは、『ちびまる子ちゃん』『ヒカルの碁』などです。
入口からみて左側の一般図書の特徴は、何と言っても外国語図書。日暮里や三河島近辺には、在日韓国・朝鮮人の住民が多いことから、ハングルの資料が充実しているんです。図書館の外国語資料といえば、一般的には英語が中心なのですが、日暮里図書館の場合は、開架の棚を見た私の目測で、ハングルが80%、英語が18%、中国語が2%といった具合。あと、在日外国人関連の日本語の本も多いです。
ハングルの図書は、著者名の五十音に並んでいますが、これってよく考えると不思議ですよね。おそらく、ハングルにも何らかの順番があるのでしょうが、日本の図書館で管理するとなると、その並びではなく、五十音順になる。あと、ハングルの雑誌は、雑誌コーナーではなく、一般書架の外国語図書の棚にあるので、ご利用の方はご注意を。
また、ビジネス関連書籍は、日本十進分類法による分類ではなく、独自の分類をしています。ちょっと長くなりますア、分類内容を挙げると、
W1 仕事の技術 ― 技術・交渉・企画
W2 コーチング ― 人材育成・職場教育
W3 働く女性 ― 婦人労働・子育て支援
W4 会社情報 ― 会社データ
W5 マニュアルをどうぞ ― 労働条件・職業紹介・雇用
W6 変わることからはじめよう ― 転職
W7 働くって、どういうこと? ― 就職活動
W8 生涯現役 ― 定年退職
W9 仕事に悩んだら ― 労働衛生
W10 ビジネス外国語 ― ビジネス外国語会話・外国人労働
W11 IT戦略 ― PC関係
W12 マネジメント基本 ― 経営分析・人材管理・財務管理・法律
W13 経営最前線 ― 経営論
W14 マーケティング ― 集客・統計
W15 顧客志向 ― 営業・接客
W16 起業するは我にあり ― 起業・非営利団体
W17 現場でたたかう ― 会議・経理
W18 小よく大を制す ― 中小企業
W19 地元の魂 ― 荒川区地域
W20 この人に聞け ― 自己啓発・ブックガイド
という形。うろ覚えですが、南千住図書館でも、こんな感じの分類をしていたと思うので、荒川区共通のビジネス関連本分類法なのかもしれません。
地下の児童コーナーは、地下への階段からして、壁にアンパンマンや14ひきのねこのイラストが飾られていて、賑やかな雰囲気。地下に入ると、ピンクの絨毯の読み聞かせコーナーがあり、その奥に書架が広がっています。カウンターも地下にあります。
壁の一画には、「このほんなんさい?」という大きな展示があり、いろんな絵本の年齢(たぶん、絵本が描かれてから何年経ったかを表していると思う)が記されています。いつ描かれたかという切り口で絵本を紹介するのは、なかなか面白いですね。
そして、絵本についても、やはりハングルが多数です。奥の棚に、ハングル絵本が250冊ほど、英語絵本が120冊ほど、中国語絵本が70冊ほどあり、さらにハングルの児童読みものが80冊ほどあります。読み聞かせコーナーにも、小さい外国語絵本がありますよ。
2階の閲覧室は、カウンターで申し込んで、図書館カードと引き換えに指定された番号を利用する方式です。1階には椅子席しかないので、机を利用したい場合は、こちらの閲覧室を利用することになります。
閲覧室の手前左には吉村昭コーナーがあります。吉村氏は荒川区日暮里生まれ、しかも現在日暮里図書館が建っている場所から小路を隔てた前に、生まれ育った家があったのだそうです。地元の中の地元という感じですね。
展示内容は、吉村氏の作品はもちろん、小さい頃の写真や愛用品、直筆原稿などいろいろ。吉村氏が区民栄誉賞授与した際にこのコーナーを作ったそうで、日暮里図書館宛に吉村氏が送ったFAXなども残っています。
ちょっと面白いのが、『うえの』という雑誌に寄稿した『日暮里図書館と私』という文章。日暮里図書館に吉村昭コーナーができたことについての文章なのですが、もともと作家自身があまり目立つべきではないとお考えだったようで、一図書館に自分のコーナーができたところで、大して注目を浴びないだろうとたかをくくってようなんです。そしたら、思いのほか文章を頼まれてしまってどうしよう、みたいな内容なんです。
公立図書館で、地域にゆかりのある文学者の資料を集めるのはよくあることですが、日暮里図書館と吉村さんほどゆかりの場所と図書館自体が近い例は、なかなかないのではないでしょうか。図書館を出た後も、想像力を働かせて、昔のこの辺りの様子を思いながら歩いてみたくなりますね。
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