板橋区立高島平図書館 訪問記
高島平図書館は高島平団地内にある図書館です。都営三田線高島平駅西口を出て、西高島平への線路を同じ方向に歩き、高島平二丁目交差点に出たら南(線路から垂直に遠ざかる方向)へ。しばらく行くと右に高島平図書館が見えてきます。大きい窓から書棚が並ぶのが見えるので、すぐわかると思います。
高島平図書館は3階建てで、1階にカウンター、新聞・雑誌コーナー、CD・カセット、児童コーナー、中高生コーナー。一般書架のうち、小説、随筆、文庫本、家事関連本、旅行ガイド、大活字本も1階です。2階はそれ以外の一般書架。レファレンスカウンターも2階です。3階には視聴覚室があり、映画会等のイベントがあるときだけ入れるようになっています。
正面入口入ってすぐの新聞・雑誌コーナーは、1,2階吹き抜けになっているので開放的!高島平図書館は、書架エリアも棚と棚の間があいていて、全体的に広々とした印象なんです。同じ棚や向かい合った棚を見ている人がいても、それほど気を遣わなくていいので、じっくり本を選べます。
カウンターの周囲にはCD・カセットの棚があります。カウンターから見てやや右前方と、カウンターの向かって右端と、2ヶ所に分かれているので、お探しの方はご注意を。音楽のCD・カセットだけでなく、源氏物語など文学作品の朗読もありますよ。
児童コーナーは、それ以外の書架と仕切られておらず、広いスペースが取られています。正面入口からみて右奥には「おはなしのへや」という区画があり、三方の壁に絵本が並んでいます。靴を脱いであがるタイプのスペースではありませんが、幼児向けのおはなし会もこちらでするそうです。そうそう、高島平図書館のおはなし会は、幼児向けが週1回、幼児から小学生向けが週1回+月1回と、頻度が高いんです。高島平団地に住む子供が大勢来るのでしょうね。
児童コーナーの絵本のうち、「全国学校図書館協議会」で「よい絵本」に選ばれた絵本には、本の背の上部にピンクのシールが貼ってあります。こうしたシールは絵本選びの目安になりますね。絵本の棚に散在する「よい絵本」を探すのが手間という方は、おはなしのへや手前に「よい絵本」の一覧表があるので、そちらをどうぞ。
正面入口入って右の角には、飲物の自動販売機がある談話コーナーと喫茶店があります。私、一番最後に行ったときの閉館後に喫茶店があることに気がついたので、この喫茶店にはまだ入ったことないんです(それくらい地味な喫茶店です)。次に行ったときには、何か注文してみたいと思います。
新聞・雑誌コーナーの吹き抜けにある階段をあがると、左一帯が一般書架、つきあたりが参考図書コーナー(事典類)で、右奥が郷土資料コーナーとなっています。レファレンスカウンターは参考図書コーナー左にあります。閲覧席も四方にたくさんありますし、左奥には外国語の本もたくさんあります。
吹き抜けの階段上がってすぐ右のガラスケースには、イギリス絵本の復刻本が展示されています。展示されてる本は借りることはできませんが、職員さんに言えば手に取って見ることもできるとのこと。階段からみて奥側のガラスケースには、警告として汚破損本も展示してあります。下段左には焼け爛れた本があり、何事かと思ったら、以前高島平図書館で不審火があり、その際被害にあった本だそうです。ひどいことをする人がいるものです。
外国語図書は英語・中国語・ハングルがあり、それぞれ図書分類番号で分けるほど冊数も充実しています。以前は大人向けの図書だけでしたが、今は絵本も窓際に大きな棚を置いてたくさん並べています。地下の書庫で保存していたものを、利用しやすいように開架に出したそうですよ。ほとんどは英語の絵本ですがハングルの絵本も少しあります。それに英語の紙芝居も上の段に置いてありますね。
このコーナーには英語で書かれた利用案内もあるのですが、この利用案内、板橋区立図書館の利用案内ではなく、高島平図書館の利用案内なんです(他の図書館のことも書いてあるけど)。高島平周辺って外国人の方が多いのかな。
高島平図書館の素晴らしいところは、棚の説明の細やかさ。各分類の文字が大きくて見つけやすいし、関連番号の紹介も多い。例えば、知的所有権に関する本が置いてある棚枠に、著作権関連本の棚の場所(知的所有権は「技術・工学」に分類されますが、著作権は「総記」に分類されます)を書いてくれたり、戯曲が置いてある棚枠に演劇や映画・俳優の棚の場所を書いてくれたり。他にもそういう説明をつけてくれている図書館はたくさんありますが、高島平図書館はずば抜けてたくさんの説明を書いてくれています。
それにこういった配架に関する情報だけではないんです。講談社版「日本の歴史」(全25巻)と集英社版「日本の歴史」(全22巻)のところには「紛失していた巻を購入して全巻揃えました!」というメッセージ。シリーズもので抜けがあるというのは不備ですし、それをきちんと整備してくれた職員さんの気持ちが伝わってきます。夏目漱石の全集の棚には「絶版のため入手できなかった漱石全集の1冊を利用者の方よりご寄贈いただきました。」のメッセージがあり、こんな風に書いていただけたら寄贈した方も嬉しいですよね。
小説の棚には、司馬遼太郎の本の近くに「司馬遼太郎全集が、2階B番北側の本棚にあります」、松本清張の本の近くに「松本清張の文庫本を20冊ほど補充しました。文庫コーナーをご覧ください」というメッセージ。全集のところには、閉架に移動したものはその旨書いてあるので、棚の動きもわかる。現在建替工事を行っている赤塚図書館から移動してきた本にも、その旨メッセージが書いてあります。配架場所だけでなくて、補充したという情報まで教えてくれるというのはすごいと思います。
それ以外にも、23区それぞれの歴史の本があるところには「「○○区の歴史」シリーズの本は古くて痛んでいますが、これに代わるような類書が出版されていないため、そのまま並べています。ご了承ください。」というメッセージがあって、選書している方の思いが見えてきますし、こういうメッセージを読むと今ある資料を大事にしないといけないという気持ちも生まれてきます。
語学の英語の棚にある「英語の本(洋書)がL書棚の北隣の洋書コーナーにあります。勉強のためにも、ご活用ください」というメッセージも、職員さんの本を利用して欲しい気持ちが伝わってきますね。そうそう、このメッセージ、「方角がわからない人には、北とか言われてもわからないよ」と思うでしょ。驚くなかれ、2階の全ての書棚の側面に「北側」「南側」という向きが書いてあるので、方角がわからない方にもどこを指しているかわかるようになっているんです。
児童コーナーの棚枠メッセージも負けていません(笑)。児童文学のところには「ガラスのうさぎ」「風の又三郎」などのあらすじが貼ってあります(もちろん、その本が置いてある場所のすぐ近くに)。何を読んだらわからないお子さんは、このあらすじを読んで、読んでみたいと思った本を選ぶことができますね。
私も図書館巡りをする前はそうだったのですが、馴染みの図書館こそ自分の目的の本がある棚に直行してしまって、新着情報や掲示物を見ない方も多いと思うんです。そんなとき、高島平図書館のように、目的の棚にその本を求めている人に向けてのメッセージを書いてくれていると、すごく嬉しいです。決まった場所にしか情報を出さないで、『情報が欲しければ見に来い』的な態度ではなく、その情報を欲しがる人が来る場所にわかりやすく提示してくれる。はっきりいって、私、ちょっと感動したくらいです。
書棚に情報が詰まった図書館ですので、予約本の受取だけの利用をしている方がいらっしゃったらもったいないです。高島平図書館に来た際は、書棚をじっくり見てくださいね!

高島平図書館

