足立区立新田図書館 訪問記
last visit:2007/9/3
足立区立図書館の中で一番西にある新田図書館は隅田川のそば、新神谷橋を降りてすぐ右にある新田二丁目第2アパート2号棟の2階にあります。この建物の1,2階が新田地域学習センターと新田住区センターなんですね。この学習センターの2階の奥が新田図書館になっているんです。2階にあがって、地域学習センターの窓口の脇を通って、奥に進むと新田図書館のエリアになっています。入口入ってすぐ左が特集コーナーに新着コーナー。更に進むと、右にカウンター、カウンターの正面に新聞・雑誌コーナー、入口正面が児童コーナー、左が一般書架となっています。
新田図書館は足立区立図書館で一番新しい図書館なのかな。椅子のカバーなどが可愛らしくて、子供がたくさん利用しそうな図書館ですね。
雑誌の棚の右隣には「大人も絵本」コーナーというものがあり、月ごとにお勧めの絵本を入れ替えて展示しているようです。私が行ったときは、レイフ・クリスチャンソンの「あなたへシリーズ」という絵本が展示してあったのですが、この中の「わたしのせいじゃない」なんて、子供よりむしろ大人の方がずしんと来る内容です。
私も図書館巡りをするまで、絵本なんて全然興味なかったんですけど(割と小さい頃から文字ものの方が好きだったし)、せっかく来たんだからと図書館の児童コーナーも見るようになって絵本も手に取るようになると、絵本といえども深いものは深いことを描いているんですよね。
そして、この「大人も絵本」コーナーの更に右へ目を向けると、文庫の一部がある隣に、受験案内、学校案内、職業ガイド(中高生向けと大学生向け)、ビジネス関連コーナーと続いていて、この一連の棚が将来を考える配置になっているんですね。これはなかなか面白い配置です。学校案内の棚の上には、大学の社会人向け講座か何かのパンフレットも置いてあったように思うので、ビジネス関連コーナーから入って学校資料にたどり着くというのもありですね。
その側にはパソコン専用席もあるのですが、あまり利用する人がいないのか半ば本棚と化している気が。背中合わせになっている新聞・雑誌閲覧机との間も狭いので、机としてはあまり使い勝手がよくないですね。
一般書架の中を歩いていたら、棚の側面に長田弘の詩「世界は1冊の本」が貼ってありました。仰々しくなく、さらっと貼ってあるのがいいですね。図書館でこういうものがあると、原本を閲覧したい人のために資料請求番号を書いたりしがちですが、そういうのもなくあくまでもさりげない。
あれ、でもこの詩全文掲載って、著作権とか大丈夫なのでしょうか。さすがに公立図書館だし、ちゃんと許可を得ているよね、きっと。
書架を細かく見ていくと、分類番号は3桁しか使わず、後はタイトル等をみて分類しているみたいですね。例えば、「338 金融」の棚ではさらに細かく「利殖・資産運用」「投資信託」「株」「ローン・クレジット」と分かれているのですが、どれも分類ラベルは338としか書いていない。とすると、棚のどの辺に入れればいいのかはタイトルなどから推測するしかないわけです。
棚に本を戻すのって、職員さんだけでなく利用者も見た本を戻したりするから、本当は枝番を使ったりして誰にでもわかりやすくした方がいいと思うんだけど、どうでしょう。
あと、壁沿いの棚は一番上の段が扉のある棚になっていて、本が見えない分、扉に何が入っているかが貼ってあります。一番上の本当に高い段まで使っている図書館では、地震対策でチェーンを1本渡しているところもあるのですが、強い地震だったらこのチェーン意味ないよな、なんて思ってみてたんですよね。新田図書館みたいにいっそ扉のある棚の方が安全性はあるなあと思いました。
ところで、私は新田図書館に行ったとき、図書館の資料をコピーしたくなったのですが、キョロキョロしても図書館の中にコピー機がない。おやと思って職員さんに聞いてみると、コピー機は図書館エリアを出てすぐのところにある地域学習センターの窓口にあるからそこでコピーしてくださいとのこと。その際には、館外に資料を持ち出す代わりに図書館カードをカウンターに置いていく仕組みになっています。
さっそく言われた通り、窓口の中に入らせてもらってコピーしたのですが、図書館やコンビニにによくあるような、コインを入れて料金分コピーができるようなタイプではなく、普通のコピー機で何枚コピーしたかは自己申告するんですね。で、職員さんにお金を渡して、レジからお釣りをもらう。23区の図書館ではもうめったにないシステムなので、とっても新鮮でした(笑)。
さて、足立区立図書館では各館でテーマを持っていて、新田図書館は「園芸・ガーデニング」なんですね。単に利用者に人気のあるテーマを選んだのではなく、このテーマには地域のゆかりがあるんですよ。
その「園芸・ガーデニング」コーナーに行ってみると、以下のような説明がありました。
新田地域は、野新田といわれた頃から「桜草」の名所でした。かの夏目漱石も訪れ、「虞美人草」にも取り上げられています。その桜草群生地は昭和初期に絶滅してしまいましたが、現在は『野新田桜草の会』を中心に桜草の復活に力を注いでいます。そう、この新田地域って、ちょうど荒川と隅田川が分岐するところで、たぶん治水がしっかりできるまではとても大変だったのではないかと想像してしまいますが、そんなところに桜草の名所があったんですね。
そこで、桜草の歴史資料を含め、足立区の樹木や花である桜やチューリップとともに、草花・園芸を中心に資料を集めました。また、家庭園芸が盛んなため、ガーデニング資料も収集しています。
また、新田小学校PTAには「野新田(やしんでん)桜草の会」という会があり、桜草の栽培をしたりしているのだそうです。その顧問の大久保幸治氏が、2006年6月から2007年3月まで、新田図書館だよりで「新田桜草物語」という文章を連載していて、このコーナーにもそれをまとめた冊子が置いてあったのですが、これがなかなか面白いんです。
桜草の出てくる昔話などを読みやすいようにまとめているのですが、その際に地元向けに「今の足立新田高校のあたりです。」とか「今の新田三丁目のバス停があるあたりに出ました。」とか現在の目印を織り込んでくれるので、昔話がぐっと身近になる感じで。特に私は自転車で来たので、当然来るまでに何度も地図をチェックしていて、そんなことがあってからこういうのを読むとその場所を知っていることが嬉しくなってきちゃうんですよね(笑)。
ちなみにその「野新田桜草の会」のホームページはこちら。トップ>桜草コレクション>「尾久の原桜草」の絵 などは、昔の新田もこんな感じだったのかなあと思いを馳せてしまいます(でも、この絵は新田じゃなくて尾久なんですけどね)。

新田図書館

