高輪図書館
港区立高輪図書館 訪問記
港区立高輪図書館は、白金高輪駅そば、というより駅の上にある図書館。2階分の吹き抜けになっている児童コーナーは開放的です。日本の小説が1列に並ぶ長い棚は必見!
高輪図書館は白金高輪駅より徒歩1分です。より正確に言うならば、駅のほぼ真上にある高輪コミュニティぷらざの3階に上がっていけばいいので、徒歩というよりエスカレーターとエレベーターによる移動1分という感じ。一度も空を見ることもなく図書館に行けてしまいます。1番出口を出れば、出口が高輪コミュニティぷらざに直結しているので、そのまま上に上がってくださいね。
建物の3,4階が図書館なのですが、図書館の入口は3階で、図書館エリア内で3,4階を移動するようになっています。3階を入って正面がカウンター、左に新聞・雑誌コーナー、CD・DVDコーナー、右に児童コーナーと新着コーナー、展示コーナー、ネット閲覧PCとパソコン利用席があります。4階は一般書架で、窓際や隅の一画に閲覧席も並んでいます。
図書館エリアとなっている区画が横に長~い長方形状で、同じ面積の正方形に近い形のエリアよりも広い印象を受けます。自分の見たいジャンルが2つ以上あって、それが反対側の端っこにあったりすると、延々と歩くことになってしまいますが、“本がたくさん!”という雰囲気を感じられて、私は好きです。ブックカートもあるので、あちこちの棚から本をピックアップした人は、ぜひ使ってください。
3階入口向かって右は3,4階吹き抜けになっていて、開放感のあるエリア。昔はこちら側が新聞・雑誌コーナーだったのですが、今は児童コーナーになっています。児童コーナー入口の小さいゲートをくぐると、右側に2フロア分の大きなガラス窓があり、陽が昇っている時間帯に行くのがお薦めです。
絵本は、日本作家の絵本も外国作家の絵本も一緒になって、絵者の苗字の頭2文字で分類されています。絵本の棚は奥行きがやや少なくて、棚に向かうと手前に向かってでこぼこしている感じ。欲しい本が見つからない場合、棚にないのではなく、大きい絵本の陰に隠れて見えなくなっているかもしれないので、検索機などを使って所在を確認してくださいね。
3階入口入って左には、雑誌棚とCD棚が横に長~く並んでいます。雑誌は、最新刊用ブックカバーと棚の両方に色と記号による分類が明記されているので、戻すところがわかりやすい!雑誌の棚って、読み終わった人が違うところに戻してしまって、場所がぐちゃぐちゃになっているときがあるのですが、戻す場所がわかりやすければそういうことも防げますね。
3階カウンター向かって右は、検索機の隣にネット閲覧PCが2台あり、持参パソコンを利用できる席が3席と、ちょっとしたパソコンエリアになっています。ネット閲覧PCはほとんど利用されていない図書館からいつ行っても誰かが利用している図書館まで様々なのですが、高輪図書館は利用率高いです。確実に利用したい方は待つ可能性もあることを考慮して、館内の他の場所を回る前に、まずネット閲覧PCの予約するなどの工夫をしましょう。
視聴覚資料としてはCDとDVDがあり、奥にはDVD視聴機が2台あります。ただ、視聴している光景はあまり見られず、雑誌や新聞を見る人が座っていることが多いですね。CDといえば、高輪図書館が発行している新入荷CD紹介のミニ広報誌「おとのしおり」の4コマ漫画は私のお気に入り。ときにはオチがないこともあって、「ゆる漫画」とでも言いたくなるような、ゆるキャラが出てくるというわけではなく、ストーリー展開がゆるいんです(笑)。CDケースサイズの小さい広報誌で、最新号だけでなくバックナンバーも配布しています。
4階へは3,4階用のエレベーターを使うか、児童コーナー入口手前右の階段を使って上がることができます。階段を使うと、吹き抜けになっている児童コーナーを上から見ることができます。港区立図書館は、みなと図書館の雑誌コーナーを望める階段や、三田図書館の1,2階をつなぐ階段など、書架を望める階段パターンが好きなんですね(笑)。
階段・エレベーターがあるのは横長の書架エリアの真ん中辺りで、そこから左右に書架が伸びています。効率よく書架を巡るには、4階エレベーター前にある検索機や配架図を使って、自分が利用したい資料の場所をしっかり確認するのがいいですね。
日本の小説は著者名の五十音順、但し、複数の著者による作品集は、タイトル名を元に、五十音順の並びに入れられています。例えば、深津信義(フカツ ノブヨシ)が書いたの本の隣に、6人の作家による『不可能犯罪コレクション』(フカノウハンザイコレクション)という本が並び、その隣に深町秋生(フカマチ アキオ)が書いた本がある、といった具合になります。外国の小説は、国別分類などはなく、「外国の小説」でひとまとめにされ、著者の姓名の五十音順に並んでいます。
外国語図書はほとんどが英語です。日本の小説の英訳本では、三島由紀夫・夏目漱石などの文豪の英訳だけでなく、『THE HUNTER』(乃南アサ『凍える牙』の英訳)、『REMOTE CONTROL』(伊坂幸太郎『ゴールデン・スランパー』の英訳)といった、現代の人気作家の英訳本もあります。こうした本の原作・英訳読み比べもいいですね。
高輪図書館の特徴は、何といっても横長の区画を利用した棚。特に日本の小説・エッセイの棚はすごいです。長方形の区画の長い方の壁面が全て日本の小説・エッセイの棚になっていて、「ずらり」という言葉をビジュアルで示したらこうなるというような壮大な棚です。
実は同じジャンルの本を横一面に並べられちゃうと、歩く距離は長くなってしまうんですよね。何列かの書架に収納してくれていると、同じ場所にいて振り向いても同じジャンルの本がある。でも、例えば高輪図書館で阿川佐和子の本と渡辺淳一の本を見たい場合は、(著者名の五十音順に並んでいるので)日本の小説・エッセイの棚の端から端まで歩かないといけなくなってしまう。でも、そのデメリットも受け入れたくなるような「ずらり」感のある小説棚は、他の図書館では見たことありません。中央にある扉で一度途切れるものの、あとは柱さえなく棚が並んでいるんです。
これ以外にも、文庫や新書の棚もひと続きの長い棚に並んでいます。文庫は本の背の色や本の厚みが様々ですが、新書はほとんどが白い背で厚さも同じくらいなので、これまた「ずらり」感がある。本を手に取る前に、思わず棚をじっと見てしまう書架なんです。
図書館に行く楽しみって、本や新聞・雑誌を読むだけでなく、書棚を見る楽しみもありますよね。本がたくさんあるという点は書店も同じですが、古い本と新しい本が並んでいるのは図書館だけで、棚の並びを見るだけでも面白い。まして、それが1列に並ぶ姿は、高輪図書館だけの光景です。棚の光景を楽しんで書架内を回れば、いつもと違う本に出会えるかもしれませんね。せっかくですので、高輪図書館に来た際は、長~い棚を堪能してくださいね!
