品川図書館
品川区立品川図書館 訪問記
品川区立品川図書館は、京浜本線の新馬場駅の近くにある、品川区立図書館の中央館。1845年に南品川宿で始められた救貧事業を行う団体が作った文庫が、東京市に寄贈され、そこから更に品川区へと委譲されたという、歴史のある図書館です。
品川図書館は京急本線新馬場駅北口から徒歩3分ほど。出口の目の前にある第一京浜を、南(青物横丁)方向へ進み、最初の大きい交差点で左折。少し行った右側にある幅広の建物が、品川図書館です。
図書館の入口そばの看板によると、この品川図書館がある場所は、旧日向佐土原藩島津家抱屋敷跡なのだそうです。この屋敷、門は目黒川を挟んだ向こう側にあったそうで、かなり広かったようです。そんな広い屋敷に住んでみたいものですね(笑)。
また、品川図書館の建物裏側には稼穡稲荷という社があるんです。自転車置き場が建物の裏にあるので、自転車で行ったときに気付きました。社の隣には品川区指定天然記念物でもあるイチョウの木。23メートルの高さで、推定樹齢500~600年だそうです。説明板には区のイチョウの中でも屈指の巨木とありますが、確かに幹が太い!
品川図書館は建物の2階から4階。建物1階から地下にかけては、六行会ホールとなっています。建物正面中央に行くと、右側が六行会ホールの入口、左側が品川図書館の入口です。図書館側の各階の配置は、2階がカセット・CD・ビデオ・DVD、児童コーナー、文学・スポーツ・芸術などの棚。3階が社会科学・自然科学を中心とした書架と地域資料・参考資料。新聞は3階にあり、雑誌はジャンルによって2,3階に分かれています。4階が視覚障害者用の資料と休憩室となっています。休憩室は自販機とベンチ、テーブルがあって、その名の通り一休みできるスペースですね。
階段が入退館ゲートの外にあるので、各階ごとに貸出手続きをしないといけないのが少し面倒ですが、各階のゲートを入った正面に検索機、その隣にカウンターがあり、左右に書架が広がっているという配置は、利用しやすいです。
2階は、入って左手前に旅行ガイドや家事関連本があり、左奥が児童コーナー・中高生コーナーです。右側は、手前に雑誌と視聴覚資料、奥が文学・スポーツ・芸術などの棚です。視聴覚資料コーナーの壁沿いには、視聴機も並んでいます。視聴機は6ブースあるのですが、平日に行っても結構埋まっています。
一般的に、図書館のビデオ・DVDは、美術や自然科学など一般公開映画以外のものが多いのですが、品川図書館は一般公開映画のビデオ・DVDもわりと揃っています(もちろん、レンタル店などに比べたら、全然少ないですが)。DVDの映画の棚は「日本映画」「アジア映画」「アメリカ・イギリス映画」「ドイツ映画」…といった具合に、製作国ごとに分かれています。
視聴覚資料の隣にあるパソコン優先席は24席あり、ここも人気の席です。各駅しか止まらない駅のそばでよかった、といったらおかしいかもしれませんが、これでもっとアクセスのいい場所にあったら、もっと席の競争率が高くなっただろうと思います。
その先の文学・スポーツ・芸術などの書架は、品川区の中央館だけあって冊数が多い!特に、外国文学の棚は、壁沿いにずらっと並んでいるので圧巻です。2階の一般書架の中央付近には「戻す場合がわからなくなった資料を置く棚」があります。本棚が多いから、戻す場所がわからなくなってしまう人もいるのかもしれませんね。
児童コーナーもとても充実しています。絵本は窓際にずらっと。漫画は絵本がある辺りとは反対側の一画にあって、テーブルについてゆっくり読むことができます。奥の方には、絵本の復刻本や児童書研究本もあり、児童向け資料だけじゃなく、大人向けの児童書資料も多いです。
おはなしの部屋の入口右方には「てっちゃん文庫」という大型絵本コーナーがあります。このコーナーは、三和テッキ株式会社さんからの寄付によるコーナーだそうで、会社名と電車線金具の開発・製造・販売を行っている会社であることから「てっちゃん文庫」という名前なのでしょう。絵本の内容は、鉄道関連のストーリーというわけではなく、いろんな絵本がありますよ。こちらの会社のホームページを見ると、鉄道錦絵を200種弱ほど所蔵していたり、伊勢物語に関する写本や版本を収集したコレクションを所蔵していたり、文化活動をいろいろなさっている会社のようです。
3階は、入って左側が社会科学・自然科学と外国語図書。右側が、新聞・雑誌コーナーと地域資料・参考資料です。地域資料手前には、ネット閲覧PCもあります。
3階の各棚中央館に相応しく充実した書架となっています。例えば007の棚は、「WINDOWS OS」「MacOS」「Excel」「Word」といったジャンル分けはもちろん、「Delphi」「Visual Basic」「C言語」「C++」「Java」「Perl」等プログラム言語に関する資料もたくさん。ただ、こうした技術的な資料は、新しいものは貸出中のことが多く、棚に残っているのは比較的古い資料なので、それを踏まえた上で利用するのがいいです。
007の近くにある外国語図書も、英語・中国語・ハングルとそれぞれ冊数を揃えています。中国語・ハングルの本は状態がいいものも多いです。品川区立図書館は誰でも登録できるので、中国語やハングルの勉強をしている方や中国・韓国の方などには、品川図書館はいい穴場なのではないでしょうか。
3階の入口左側の奥には平和コーナーがあり、平和に関する図書だけでなく、「図書館平和フェア」で作られた千羽鶴も飾ってあります。また、棚の上に「岩波フォト・ドキュメンタリー 世界の戦場から」というシリーズの本のケースが並べてあります。このケースに戦場の写真が掲載されているので、ちょっとした写真展示のようになっています。
参考図書・地域資料のほうも、わりと古い資料が開架で置いてあり、あてなく棚を見ていても面白いのですよ。23区に関する昔の本もたくさんあって、例えば「東京風土図」(産経新聞社会部編)という昭和36年の本なんかはイラスト入りで当時の都内のいろんな町の風景が書いてありました。私は昭和46年生まれで、私の記憶の中でも『この街は変わったなぁ』というものが既にあるわけですが、その更に前を『いやいや、昔はもっと違ってこんなだったんだよ』ってのを本で読めるのはいいですね。
さて、この図書館、入る時から六行会が周囲に目立っているのですが、3階に行くと六行会文庫なるものまであります。六行会とは何ぞやと壁にある説明を読んでみると、
1845年に南品川宿で始められた救貧事業のための積立金が六行会の始まり。その六行会が1923年に荏川町倶楽部という集会所の中に荏川町文庫を開設し、昭和3年には独立館を設けて文庫を移転して六行会経営の品川図書館を作ります。それがのちに東京市(当時)に寄贈され、都から区への委譲と二度の改築を経て今の品川図書館に至る。とのこと。いやあ、そんな歴史があろうとは!品川が宿場であるとは知識として知っていましたが、それが巡り巡って図書館にまでつながっているというのは面白いですね。ちなみに六行会は今も財団法人として教育と文化の支援をしているそうです。
図書館の棚の六行会文庫はNHKブックスが多いですね。歌舞伎に関する古めの本が数冊あったりもするので、興味のある方はこちらの文庫も覗いてみてください。
地域資料にあった古い資料なんかも、この歴史の長さが貢献しているんでしょうかね。また一つお気に入りの図書館が増えてしまいました!
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「品川区60年の歴史」
