練馬区立大泉図書館 訪問記
大泉図書館は、大泉学園町の住宅地の中にある図書館です。最寄り駅の大泉学園駅から大泉学園通りを北上する形でしばらく歩いてから、路地を左に少々入ったところ。
大泉学園通りは桜並木になっていて、春はさぞかし見事な桜が咲くんだろうなあ。私は残念ながら桜の季節に行ったことはないのですが、暑い夏なんかも木々の葉が日差しを和らげてくれていいですね。大泉学園駅から大泉図書館までそれなりに歩くのですが、そんなに苦にはなりません。
そうそう、大泉学園駅を利用すると、電車の発車メロディが「銀河鉄道999」で、大泉図書館のある方角にあたる北口を出ると「大泉ゆめーてる商店街」という商店街があり、「銀河鉄道999」のメーテルの幟がゆらめいているんです。これは何か大泉学園が「銀河鉄道999」か松本零士さんかどちらかと縁があるのだろうと思い調べてみると、松本零士さんがこの辺りにお住まいなんですね。「大泉ゆめーてる商店街」ホームページによると、「松本零士氏は長年大泉に在住され、日頃から当商店街をご利用頂いております。」とのことなので、この辺を歩いていたら松本零士さんに会えるかも?!
さて、大泉図書館の話に入りましょう。建物は3階までありますが、利用者が入れるのは2階までですね。1階は入口を入ると、右に新聞・雑誌コーナー、左にカウンター。もう少し奥に進むと、中央やや右寄りに中高生コーナー、その右に文庫コーナー、左がCD・カセットコーナー。ネット閲覧PCもありますね。それよりさらに奥の方が一般書架となっています。2階は児童コーナーと読書室。閲覧室は2階の読書席のほかに、1階にもあります。
図書館の規模としては中程度で、それに応じた書架となっていますが、それ以外にも大泉図書館ならではの書棚がいろいろ。
まず、1階の中央からやや右奥寄りに、藤沢周平コーナーがあります。コーナーにある説明によると
とのこと。説明通り、藤沢氏の著作(絶版本もあり)と藤沢氏に関する書籍や雑誌で、自筆ノートの類はないようです。まあ、もし所蔵しても開架にぽんとは置かないか。藤沢周平コーナーの設置にあたって
このコーナーは練馬区大泉学園町に二十数年にわたり在住し作家活動をされた藤沢周平氏のご遺族より著書の寄贈を受けるとともに、(財)加藤教育振興会からの寄付を基に設置されました。
また、地元、大泉学園を中心に藤沢作品を愛好する「藤沢周平と大泉の会」のご協力を頂いております。
そばの柱には略年譜があったり、「藤沢周平と大泉の会」の会報誌も置いてあって、この会報誌は自由にいただけるとのこと。また、ガラスケースに雑誌「サライ」1990年1月18日号の藤沢周平インタビューのコピーや、鶴岡市の藤沢周平記念館の計画(予定では、もうすぐ開館になるはず)を掲載した鶴岡市の広報のコピーが展示してあります。このインタビューが大泉のことに触れていればいいのですが、残念ながら鶴岡の話ばかりなんですよね(笑)。藤沢さんが大泉のことを語った資料をご存知の方は、大泉図書館にその資料の展示を提案してください!
大泉在住では、冒頭にも書いたように松本零士さんも大泉在住なのですが、残念ながら「松本零士コーナー」は今のところありません(笑)。ただ、中高生コーナーに漫画があって、そこに「銀河鉄道999」は置いてありました。松本さんは練馬区名誉区民でもあるし、練馬区は地元のアニメ産業を支援したりもしているので、図書館に地元漫画家のコーナーを作ったら面白いのではと思うのですが、どうでしょう。
そういえば、図書館入口を入ってすぐ左には丸太があり、以前は「この図書館の書棚はこの木でつくってあります 木名 マカンバ」と説明書きがありました。大泉図書館は2008年度に改修して、その際に書棚も変えてしまったのですが、以前の棚は最下段がローラー付きの箱になっていて、引き出すと本が取り出せるタイプでした。比較的利用の少ない本をここに収納していたと思うのですが、それらの本も取り出しやすいし、普通に棚にさされている本も一番低いところにあっても下から2段目という高さになるので、とても見やすかったんです。説明があったことから察するに、買い揃えたのではなくあつらえて作った書棚だったのかもしれませんね。残念なことに今は使われていないのですが、あの棚は今どこでどうしているんだろう。
入口から見てカウンター手前にあたるところには、自販機コーナーもあります。飲物の自販機が1台あるだけですが、ソファもあるので調べものや読書の合間の休憩にほっと一息つけますね。自動販売機コーナー入口手前右にはリサイクルコーナーがあり、図書館の除籍蔵書をもらうことができます。
大泉図書館は児童コーナーが2階にあるのですが、1階の「藤沢周平コーナー」の右隣に600冊以上の英語の絵本がずらっと並ぶ「浜中文庫」があります。この「浜中文庫」とは何かを職員さんに聞いてみたら、詳しい職員さんを呼んでくれて、お話を伺うことができました。
大泉図書館の初代館長が浜中氏という方で、その方が所有していた本の寄贈とのことですが、何とこの浜中氏、大泉図書館オープン3日目にお亡くなりになったのだそうです。大泉図書館のオープンが1980年2月1日だったのですが、2月3日にお亡くなりになったのだそう。どんなお亡くなり方だったのかは聞かなかったのですが、大泉図書館オープンの姿をご自分の目で見届けられていたならばいいなと願うばかりです。
その後、奥様から寄贈のお話があり、地域の皆さんが寄贈されたものを大切に守ってきて、現在のこの棚に至るとのこと。どうぞこれからもこの浜中文庫を大切に維持していき、そしてせっかくの資料ですから、ただ所蔵しておくだけでなくぜひ利用してください、大泉図書館ご利用の皆様!
っていうか、この話、職員さんに聞いてみなかったら知ることのなかった話で、これってもったいなくありません?当時のことを知る方がいらっしゃるうちに話をまとめて資料にするとか、そこまでしなくともこの浜中文庫コーナーに浜中文庫の経緯を書いてみてはいかがでしょうか、大泉図書館さん。
2階に上がると、階段・エレベーターから見て、右に読書室、左に児童コーナー。視聴覚室や読書会室もあります。読書会室は、児童向けのおはなし会が行われる部屋だと思うのですが、「おはなしのへや」等ではなく、あえて「読書会室」という名になっているということは、大人対象の読書会なども開かれることがあるのかな。
読書室は机がずらり。27つの席は、私が行ったときには全て埋まっていました。ここは競争率高そうですね。利用したい方は早めに行った方がよさそうです。
児童コーナーは、改修以前は1階にあったのですが、改修で新しく2階に作られました。児童コーナー内カウンターの前に低い棚が広がっています。奥には絨毯敷きの読み聞かせコーナーもありますね。児童コーナー真ん中付近の、布絵本のあるコーナーには、布絵本だけでなく布で作ったショートケーキや芋虫のぬいぐるみも置いてあったりしてにぎやかな雰囲気。
そして、児童コーナーに開放感をもたらしているのが、屋上庭園。2008年度の改修の際に、屋上庭園ができて、児童コーナーから出られるようになっています。開館直後は芝が生えるのを待つために入れなかったのですが、たぶん今は入れるはず。大泉図書館は1階にも庭があって、そこで本を読むこともできるんですよね。1階の庭にも2階の屋上庭園にもちゃんとベンチが用意されています。1階には女性の像も置いてあって、夏でも木陰で涼しそう。
ちなみに図書館の建物前の区画も、改修の際に木を植えて、木の周囲にぐるりと円状のベンチを配して、ちょっとした広場になっています。緑を周囲に配した図書館という雰囲気ですね。「緑+図書館」で言ったら、大泉図書館のように人工的に配した緑もいいけど、同じ練馬区の稲荷山図書館は本物の自然と図書館の組み合わせが楽しめますよ。
見所がたくさんあるし、緑も多くて、長時間滞在したくなる図書館ですね。それに、浜中文庫の話を聞いたせいか、思いを込めて作られた図書館という印象です。こんな図書館がそばにあるなんて、大泉に住んでい方が羨ましい!

大泉図書館

