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その後、都立図書館→国立国会図書館と制覇していきたいと思います
東京図書館訪問記杉並区方南図書館
 『やさしい政治・経済の本』&『アスリートかく語りき』 ―2008年10月の特集
visit:2008/10/15

方南図書館の2008年10月の特集は「やさしい政治・経済の本」と「アスリートかく語りき」です。

「アスリートかく語りき」は一般書架入ってすぐ左の「方南図書探偵団!」のテーマ。私、10日から12日までF1の日本グランプリを観てきたばかりなんですよ~。アロンソが好きな私、今シーズン初めにはこのマシンで優勝なんて、少なくとも今年中には絶対無理だと思っていたので、この目で優勝シーンを見ることができて大感激!!そのように観る者に感動を与えるスポーツ選手は、どんなことを語っているのでしょうか。

展示本には、「ロナウジーニョ The Smiling Champion」「松坂大輔の直球主義」「帝王ジャック・ニクラウス―私の履歴書」「武豊×オリビエ・ペリエ―勝つには理由(わけ)がある」など、様々なスポーツの選手を取り上げた本が並んでいます。私の好きなF1では、「鈴木亜久里の冒険―走れ、F1ビジネス!!」が置いてありますね。

蹴音―三浦知良伝説の言葉」という、1ページに一つずつ、カズの言葉が紹介されている本を読んでみたのですが、いろいろ言い方は変わっても言葉の奥にある芯は同じなんですね。サッカー選手としてのプロ意識、と言葉で言うのは簡単だけど、15歳にしてブラジルへと飛び出した選手の意識は並みの選手とは違う気がします。発言された日付も見ながら読んでいくと、年月を経るにつれ、物事を多角的に深く見ている発言へと変わっているし、今後の進化を(サッカー選手としてだけでなく)期待してしまいます。

それを読んだ後に、松井秀喜の「不動心」を読んだら、こちらは静かな語り口で、正反対といってもいいような印象。同じように世界で活躍しているスポーツ選手でも違うものだな、と面白く感じました。こういう本は、本当に選手自身が書くのではなく、ライターさんがヒアリングして書くのだと思いますが、自分の信念をやわらかい口調でわかりやすく伝えようとするような文章は、いかにも松井らしいと思って読みました。

さて、一般書架奥の大きな特集コーナーの方は「やさしい政治・経済の本」。政治や経済は「難しくてわからない」なんて言ってられないくらい生活と密着したものですし、不安要素の多い最近は特に気になるテーマと言えますよね。

特集棚の左上の段には、『難しいニュースをやさしく』と言えば多くの人が思い浮かべるであろう、NHK週刊こどもニュースの池上彰さんの本が置いてあります。「ニッポン、ほんとに格差社会?」は、「日本の生徒の学力は低下している」「日本の国会議員の数は多すぎる」などの通説のようになっていることが実際のところどうなのかを、わかりやすく解説した本。それぞれの通説について、「○(本当)」「△(どちらともいえない)」「×(ウソ)」という結論を出しているので、読む前に自分なりに予想を立てて読むと面白いです。でも、2006年に発行された本なので、この本の内容と今の状況とでは違う点もあるでしょうね。

政治家自身の著作も、猪口邦子の「くにこism」、中川秀直の「上げ潮の時代―GDP1000兆円計画」、福島みずほの「戦争と憲法危機の時代に政治をあきらめない―話せば元気がわいてくる福島みずほ対談集」などが取り上げられていたのですが、この3冊、表紙デザインからして全然違うんですよ。「くにこism」はやけに可愛らしい表紙。「戦争と憲法危機の時代に政治をあきらめない」は対談相手の名前が書いてあるせいもあるけど、やたらと文字が多い。というか、タイトルもずば抜けて長いですよね。「上げ潮の時代」はタイトルと著者名だけのシンプルさ。表紙からして、自分をどういうイメージで売ろうとしているか、どういう人に読んでもらいたいかがはっきり分かれていて、とても興味深いです。

ジャーナリストが政治家を取り上げた本もいろいろあり、見ると小泉元首相や石原都知事を取り上げた本が多いです。政治家を取り上げた本の多さって、その政治家の地位の高さではなく、政治家として存在感なんでしょうね。福田元首相について書かれた本より、石原都知事に関する本の方が絶対多いと思いますもん。また、特集コーナーにはないようでしたが、芥川賞作家としての石原慎太郎の著作を読むというのも一興ですね。

ちょっと変わっていて面白かった本が「現代政治がわかる古典案内」。マキャベリの「君主論」から夏目漱石の「三四郎」まで、様々な古典と現代政治を絡めて解説しているのですが、『古典で現代政治を読み解く』というよりは、むしろ『現代政治に照らし合わせて古典を読み解く』という内容なんです。歴史は繰り返すと言いますし、昔書かれたものと今起きているものって、どこか共通するところもあるのでしょうね。

展示本は政治の本が半分以上で、経済の本は少なめです。10月1日からの展示に対し、私が訪問したのが10月15日なので、特集コーナーから貸出された本も多いでしょう。そう考えると、経済本の方が政治本より貸し出されているということなのかもしれません。

棚に残っている本を見てみると、「カリスマ受験講師細野真宏の経済のニュースがよくわかる本 世界経済編」「政治家にダマされないための経済学」などは確かにわかりやすかったですが、「サブプライム問題の教訓―証券化と格付けの精神」は"やさしい経済の本"というにはなじみない言葉が飛び交ってます(笑)。これでもサブプライム問題のこと書いた本の中ではやさしい方なのかなあ。

でも、やさしい内容の本というのは複雑で細かい部分を省略しているので、そういう本だけを読んでいても真の理解は難しいですよね。だからと言って、いきなり難解な本を読んでも、余計理解できないでしょうし、やさしい本で受け入れ態勢を整えてから詳しい本に挑みたいところ。理解への近道として、やさしい本を上手に使いたいですね。