蒲田駅前図書館の特集コーナーは、図書館エリア入口からカウンターへの通路の真ん中辺り。2008年8月22日から10月15日までの特集テーマは「昭和の光と影 昭和30~39年」です。
特集コーナーには、図書館が作った昭和30年から39年までの年表とともに、昭和30年代のあれこれが写っている写真が掲示してあります。建築途中の東京タワー(昭和33年完成)に、昭和39年の東京オリンピック、その直前に開通した東海道新幹線の開通式など「光」にあたる写真がある一方で、三池労組の闘争の様子や昭和35年の日米安保条約自動承認前日の国会前のデモの写真など「影」にあたる写真も展示されています。私、この展示を見に行ったとき、「灰の男」という戦中から戦後を舞台とした小説の、ちょうど戦後部分を読んでいたので、それとも重なって感慨深く眺めてしまいました。
展示本にも、昭和30年代が写された写真集がいろいろありました。同じ昭和30年代の写真といっても「1960年代の東京 路面電車が走る水の都の記憶」「東京いつか見た街角」と「写真集 昭和の農村」では全然違うんですよね。都内の図書館のこうした特集だと東京の写真集しか置かれないことの方が多いので、「写真集 昭和の農村」も置いてあるのを見たときには、『蒲田駅前図書館、なかなかやるな』と思ってしまいました(笑)。
昭和30年代を描いた小説も多数紹介されていますね。朱川湊人の「わくらば日記」、黒須紀一郎の「多摩川夢工場」、ねじめ正一の「高円寺純情商店街・哀惜篇」などなど。書籍だけでなくCDも、坂本九のものや、「お笑い百科事典」という昔のお笑いを収録したCDなどが紹介されていました。
昭和30年代は週刊少年サンデーや週刊少年マガジン、週刊少年キングが創刊された時期でもあるんですよね。「少年マンガ大戦争」といった本も展示してあったし、蒲田駅前図書館って確か美術手帖や別冊太陽など雑誌のバックナンバーを多く取り揃えている図書館なのですが、そうしたバックナンバーの中で昭和30年代の漫画を特集しているものも置いてありました。
居並ぶ本の中で私が面白いと思ったのは、「新・値段の明治大正昭和風俗史」という本。いろんな品物について、何年にはいくらだったという価格年表とともに、著名人がその商品にまつわるエッセイを寄せているんです。そのエッセイが実にいい。これはいつか借りようと、ISBNコードをメモ。
それより面白くてその場で借りてしまったのが「貧乏だけど幸せ」。タイトルだけだと、安易に昔を礼賛する本のようですが、中身は昭和35年6月から10月にかけて刊行された「われら日本人」という5巻シリーズを再編集したもので、結構ジャーナリスティックな本なんです。それでいて、日本人の標準的な体型として掲載されている写真が、男性は下着姿なのに女性は全裸という不自然さもあるのですが、解説の荒俣宏も書いているように、それがまたこの時代の女性が意外と豊満なことがわかる資料になっているんですよね。タイトルを見て、さぞ貧しい時代だろうと思って見ると、思い込みが覆されますよ。タイトルと冒頭の南伸坊のエッセイは安易な昔礼賛の気配が漂っているのですが、それ以外は読み応えたっぷりです。
読む本のほとんどが図書館本である私は、返却日に追われることも多く、そういうときには計画外に本を借りることには慎重なんですね。でも、その慎重さを突き破るほどいい本を特集コーナーで見つけてしまうことがある。そういうのを私の中で「特集コーナーに負けた」と言っているのですが、この特集コーナーには完全に負けました(笑)。1冊借りたうえに、いつか借りる本も増えちゃったもんなあ。蒲田駅前図書館は数回しか行ったことないのですが、いつも面白い展示をしているので、特集コーナー好きの方にはお薦めです。
特集コーナーには、図書館が作った昭和30年から39年までの年表とともに、昭和30年代のあれこれが写っている写真が掲示してあります。建築途中の東京タワー(昭和33年完成)に、昭和39年の東京オリンピック、その直前に開通した東海道新幹線の開通式など「光」にあたる写真がある一方で、三池労組の闘争の様子や昭和35年の日米安保条約自動承認前日の国会前のデモの写真など「影」にあたる写真も展示されています。私、この展示を見に行ったとき、「灰の男」という戦中から戦後を舞台とした小説の、ちょうど戦後部分を読んでいたので、それとも重なって感慨深く眺めてしまいました。
展示本にも、昭和30年代が写された写真集がいろいろありました。同じ昭和30年代の写真といっても「1960年代の東京 路面電車が走る水の都の記憶」「東京いつか見た街角」と「写真集 昭和の農村」では全然違うんですよね。都内の図書館のこうした特集だと東京の写真集しか置かれないことの方が多いので、「写真集 昭和の農村」も置いてあるのを見たときには、『蒲田駅前図書館、なかなかやるな』と思ってしまいました(笑)。
昭和30年代を描いた小説も多数紹介されていますね。朱川湊人の「わくらば日記」、黒須紀一郎の「多摩川夢工場」、ねじめ正一の「高円寺純情商店街・哀惜篇」などなど。書籍だけでなくCDも、坂本九のものや、「お笑い百科事典」という昔のお笑いを収録したCDなどが紹介されていました。
昭和30年代は週刊少年サンデーや週刊少年マガジン、週刊少年キングが創刊された時期でもあるんですよね。「少年マンガ大戦争」といった本も展示してあったし、蒲田駅前図書館って確か美術手帖や別冊太陽など雑誌のバックナンバーを多く取り揃えている図書館なのですが、そうしたバックナンバーの中で昭和30年代の漫画を特集しているものも置いてありました。
居並ぶ本の中で私が面白いと思ったのは、「新・値段の明治大正昭和風俗史」という本。いろんな品物について、何年にはいくらだったという価格年表とともに、著名人がその商品にまつわるエッセイを寄せているんです。そのエッセイが実にいい。これはいつか借りようと、ISBNコードをメモ。
それより面白くてその場で借りてしまったのが「貧乏だけど幸せ」。タイトルだけだと、安易に昔を礼賛する本のようですが、中身は昭和35年6月から10月にかけて刊行された「われら日本人」という5巻シリーズを再編集したもので、結構ジャーナリスティックな本なんです。それでいて、日本人の標準的な体型として掲載されている写真が、男性は下着姿なのに女性は全裸という不自然さもあるのですが、解説の荒俣宏も書いているように、それがまたこの時代の女性が意外と豊満なことがわかる資料になっているんですよね。タイトルを見て、さぞ貧しい時代だろうと思って見ると、思い込みが覆されますよ。タイトルと冒頭の南伸坊のエッセイは安易な昔礼賛の気配が漂っているのですが、それ以外は読み応えたっぷりです。
読む本のほとんどが図書館本である私は、返却日に追われることも多く、そういうときには計画外に本を借りることには慎重なんですね。でも、その慎重さを突き破るほどいい本を特集コーナーで見つけてしまうことがある。そういうのを私の中で「特集コーナーに負けた」と言っているのですが、この特集コーナーには完全に負けました(笑)。1冊借りたうえに、いつか借りる本も増えちゃったもんなあ。蒲田駅前図書館は数回しか行ったことないのですが、いつも面白い展示をしているので、特集コーナー好きの方にはお薦めです。
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『昭和の光と影 昭和30~39年』